自己肯定感の高め方と高めるメリット

 

「自己肯定感」という言葉をテレビやメディアなどで耳にしたことはありませんか?

近年、様々な書籍やメディアで取り上げられており、耳にする機会も多いのではないでしょうか。「自己肯定」は人間が生きていくための基礎部分のようなものだといわれています。自分のスタイルや考え方をしっかりと受け止め、自身の存在を認めてあげることが重要であり、「自分に価値を見出す感覚」を養うことで、自分に自信を持つことができるようになるのです。受験生の中には、「自分なんて…」「どうせ勉強したって…」と、落ち込んだことがある人もことが多いのではないでしょうか。他人と良好なコミュニケーションを取り、自分自身の心の健康を守るうえで大切な役割を果たすのが「自己肯定感」です。今回は、自己肯定感について紹介したいと思います。

 

自己肯定感とは

自己肯定感とは、「自己を肯定する感覚」、つまり「自分は特別な存在だ」と感じている、ということです。誰かと比べて優れている・劣っているといった他人目線の考え方ではなく、自分自身を認め受け入れ、自分を大切に思える、自らの存在全てを肯定する感覚のことを指しています。

自己肯定感(セルフエスティーム)はよく高い低いといった表現をするため、「自己肯定感が低いから私はダメなんだ…」と極端な考えをする人がいます。自己肯定感は高いから良い、低いから悪いということではありません。「自己肯定感」は、人の優劣を決めるものではありませんが、この感覚が高いか低いかが人の人生に与える影響は大きいといわれています。自己肯定感は人が生きていく上での基礎となる部分であり、「自分との関係」を良好にすることで人生のあらゆる面を豊かにし、人生の質を左右するのです。

 

<自己肯定感の高い人の傾向>

・自分に対して安心感がある

・周りに振り回されない

・物事を肯定的に受け止められる

・自分を尊重し、他者も尊重できる

・人との違いを受け入れられる

・失敗を成長の糧にしていける

・自分の人生は自分で決めている感覚

・自分の考え(意見)を伝えられる

 

<自己肯定感の高い人の傾向>

・不安や恐れを抱きやすい

・自信がなく、受身的

・他人の評価に振り回される

・自分を否定的にみる

・他者に対して批判的傾向

・人との違いを認められない

・物事を否定的に受け止めやすい

・人と比べて落ち込みやすい

 

自己肯定感を高めることを「自分勝手になること」と考えることがありますが、それは大きな間違いです。

自分勝手は「自分さえ良ければいい」という感覚であり、自己肯定感ではありません。自分は尊重しても、相手や周りは尊重しない、自分の価値は認めても、相手の価値は認められないことです。人とのバランスを推し量れず、自分さえよければいいと身分勝手な行動をとりやすい傾向の人は、真の自己愛が持てている(自己肯定感が高い)とはいえません。

つまり、自己肯定感が高いということは、「相手を尊重しながらも、相手軸ではなく自分軸で物事を考え、判断できるようになること」なのです。他人軸で生きていると、自分の考えや価値観を他人のさまざまな感情に合わせてしまうため、最終的には疲弊してしまいます。逆に、自分軸で生きることは、自分の心の声に従って生きるということです。自分らしく生きることで自己犠牲しない生き方といえるでしょう。さらには、自分軸で生きることにより相手に寛容になり相手の意見も聞き入れやすくなるのです。

 

自己肯定感を高めるメリット

自己肯定感が高い人はプラス思考が強まり、脳活力が高まることで集中力が増すと言われています。集中力が向上するで成功する可能性が高まり、結果さらに強い自己肯定感を得ることができるといえます。

自己肯定感を高めるメリットは以下の通りです。

 

自分の感情をコントロールできるようになる:周りの人でよくイライラしている人はいませんか?そんな人の近くには誰も寄ってきませんよね。こういう人は、他人の気持ちを無視し自分勝手な行動にでてしまい、周りの人を嫌な気持ちにさせてしまうのです。自分の感情をコントロールできれば、自分の感情を鎮め、本来の自分を取り戻すのにそう時間はかかりません。大きなストレスがかかっているような場面でも冷静に行動できるようになるのです。

 

楽観的なプラス思考ができる:自己肯定感を高めれば、逆境のときでも「どうにかなる!」とプラス思考で自分を励まし、肩の力を上手に抜くことができるようになります。もちろん、ただ口だけでいっているだけではいけません。自己肯定感の高い人は、「なんとしても目標達成するぞ!自分ならできる!」という強い意志も持ち合わせています。

 

集中力が増す:自己肯定感の高い人は、こうと決めたら脇目もふらずに集中して作業をこなすことができます。さらには、集中するからといって無駄な力は入れ過ぎず、「必ず出来るはずだから頑張ろう」と楽観的に捉えています。逆に「失敗するかも…」「やったことが全て無駄になったらどうしよう…」と考え、悩んでいたらできるものもできなくなってしまいそうです。

 

失敗体験より成功体験を活かすことが出来る:「あの時失敗してしまった…」「やっぱり私はダメなんだ…」と失敗したときのことばかり思い出す人は、自分のことを信用していないといえます。逆に「良かったときのことばかり覚えている」という人は、「大丈夫、なんとかなる」「あの時成功したから次も大丈夫」と自分のことを本気で信じることができるのです。この「本気で信じる」というのが自信に繋がり、やがては実際にその通りになることが多いのです。

 

自己肯定感を高めることで、一見難しいと感じたことにも積極的に挑戦できるようになることです。自分自身を成長させることができ、ひとつひとつの行動と向き合い、成功や失敗を積み重ねて学んでいくことができれば、自分の気持ちを周囲に伝えることができるため、周りからのアドバイスを素直に聞き入れて成長することが出来るのです。もちろん、時には失敗してしまうこともあるでしょう。しかし、自己肯定感が高ければ、ミスや失敗を恐れず、何事にもチャレンジすることができます。すぐに立ち直るため成功を手に入れることが出来る可能性が高いのです。

 

日本人は自己肯定感が低い

2016年に行われた意識調査によると、日本の高校生は諸外国の高校生と比べて、「自分は人並みの能力がない」「自分はダメな人間だと思う」など、自分の能力に否定的な意識をもつ傾向が強いという結果となりました。2014年と2008年に行った調査を比較すると、肯定的な回答がわずかに増加してはいるものの、依然として諸外国と比べて低い水準であることには変わりがないようです。

この結果を聞いて高校生の皆さんは何を感じますか?「やっぱり」「そりゃそうでしょう」と思った人もいるのではないでしょうか?これは、「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在だ」と声を大にして言うことをしない、控えめな性質を持つ日本人特有の傾向がひとつの要因だと言われています。自己犠牲を良しとし、他者を重んじることが正しいと考える日本では、いかに自分の感情や意見を抑えるかが重要となってくるのです。しかし、そんな日本においても自己肯定感を高めることの大切さが唱えられ始めました。近年では家庭・教育現場の双方から自己肯定感を高める取り組みが行われ始めています。

 

自己肯定感の高め方

これまで自己肯定感を高めることで得られるメリットを紹介しました。それでは、一体何をしたら自己肯定感を高められるのでしょうか?自己肯定感は、幼少期からの環境の影響を受けて形成されるといわれていますが、大人でもトレーニング次第で高めることができるといわれています。最初は行動に移すのは難しいかもしれませんが、もちろんそれでも構いません。あくまでも「トレーニング」なので、できることから、できる範囲で少しずつ始めてみてください。

 

自分と小さな約束をして、それを守る:「就寝時間を10分早める」「朝食を食べる」など実現できそうなこと構いません。自分と小さな約束をして、それを守りましょう。自分が自分のことを使えているという自覚が自己肯定感の向上に直結します。

 

嫌な人から距離をとる:学生生活において苦手な人と付き合わなければいけない時もあります。しかし、せっかく自己肯定感を高めるための言葉を自分でかけ続けていても、他人があなたを否定するような環境だと自分自身を認めてあげるのは難しいですよね。自分を認めてくれる人たちと付き合うようにすることで自己肯定感を高めることができるのです。「自己肯定感の高まりやすい環境を作る」ことを心がけ、苦手な人との付き合いは最低限に留めることも大切です。

 

長所と短所は表裏一体、短所をひっくり返してみる:長所と短所は表裏一体だということを知っていますか?「せっかち=行動が早い」「人に流されやすい=協調性がある」など、短所をプラスに考えることで自分の良いところを理解してあげてください。自分にできること・自分の良いところに目を向けると良い結果に結びつきやすくなりますよ。

 

褒められたら素直に喜ぶ:褒められても「どうせ私なんて」「本当にそう思ってる?」と思う時はありませんか?そんな感情は一旦抑えて、褒められたらまずは「ありがとう」と一度返してみてはいかがでしょうか。自分も周囲も明るくポジティブになりますよ。

 

小さなことでも成功体験を積み重ねる:「数学の問題を一日一問真剣に解く」「朝5分早く起きて英単語を1つ覚える」これを1週間続けてみてください。小さな成功体験を積み重ねることで自分に自信を持つことができるようになります。決して無理をせず少しずつ、自分なりに自己肯定感を養っていけば良いのです。

 

もし自分を否定しそうになったら

もし自分が、「いつも無理してしまう」「妥協が出来ない」「妥協したら自己嫌悪に陥る」「上手くいった時しか自分を認められない」といつも感じる人は自己肯定感が低いかもしれません。「やり遂げなければ」と常に肩ひじ張った状態でいると頑張れるものも頑張れなくなってしまいます。

そんな人は「自分の性格をよく知ること」から始めてみてください。内面としっかり向き合い、自分と良く話し合ってみてください。親から見た自分、友だちから見た自分、先生から見た自分…様々な自分がいますよね。しかし、きっと本当の自分は自分にしかわからないはずです。「自分とはどういう人間なんだろう」「どうしてこんなに苦しいんだろう」と日頃から見つめて優しく接してあげてください。自分との対話を欠かさないことで「本当の自分」を理解することができるでしょう。「自己肯定感」を持つには、まず自分を大切にしなければいけません。自分を肯定するということは自分の存在を認めてあげることなのです。自分を大切にするようになれば、意図的に自分を傷つけたり消耗させたりする気が起きるはずありませんよね。こうして自分自身の性格を知れば、無理をすることがなくなります。もし自己肯定感を高めることができ、努力自体が楽しく感じられるようになれば、良い成果が得られ、周囲との関係も上手くいくようになるのではないでしょうか。他人と比較するのではなく、自分を認め自信をもってください。

 

まとめ

皆さん、いかがでしたか?自己肯定感とは、「いいところはもちろんだけど、ダメな部分も含めて、そのままの自分でいい」と自分で思えることなのではないでしょうか。もちろん、落ち込み泣きたくなるときもあると思います。そんな時は優しく自分を認め、次へ生かすための心のバネを養ってあげてください。自己肯定感を高めるには、まず低い理由や原因を探って見つけることが大切です。原因が見つかれば、改善方法は自然と見つかるはずですし、同じミスをしないようになります。自己肯定感を高める方法でお伝えした内容は、今すぐできる小さな一歩です。自己肯定感を日々の生活の中で少しずつでも育てていくことで、本来の自分を認め大切にしてくれたらと思います。