糖質制限と集中力

 

食後眠気に襲われて、勉強に集中できない!

という経験をしたことのある受験生も多いのではないでしょうか?

こんな時、焦れば焦るほど集中できなくなってしまい悪循環が生まれてしまいます。

実は昼食後の「ウトウト・・・」の原因は、食事に含まれる「糖質」だということをご存知でしょうか?

つまり「糖質」の摂り方を上手くコントロールすれば、

食後の睡魔をある程度防ぐことが可能だということです。

専門家の間では、「糖質を制する者は食後の睡魔を制す!」といわれるほど、

食事と密接な関係にある「糖質」。

食後の睡魔は厄介者ですが、食事の選び方・食べ方で糖質をうまくコントロールできれば、睡魔がやってくる頻度もコントロールできるかもしれません。

今回は、「糖質」と眠気のメカニズム、食事メニューの選び方や食べ方をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

 

食後に眠くなってしまうメカニズムとは?

 
午前中の授業が終われば待ちに待った昼食ですよね。

友だちと楽しい食事を終えた後、いざ午後の授業!と意気込んでも、

ついウトウト・・・

誰でも一度は経験があるのではないでしょうか。

こうなった時、みなさんはどうやって眠気を解消していますか?

栄養ドリンクを飲んだり、ガムをかんだり、身体を動かしたりと、

さまざまな対策法がありますが、これらの方法だけでは乗り越えがたい眠気もあります。

もちろん、思い切って寝てしまうことで解消するのも良いでしょう。

しかし、授業や勉強、部活動が待っている受験生の皆さんはそうはいかない人も多いですよね。

食事後の眠気については世界中で様々な研究が行われていますが、

その因果関係についてはすべて解明できているわけではありません。

ただし、近年の研究によってよく言われる原因は下記の3つとなります。

 

  • 血糖値の乱高下
  • 自然なリズムによる眠気
  • 疲労・寝不足

 

人間には「サーカディアンリズム(概日リズム)」と呼ばれる

24時間周期の体内時計が備わっているため、

午後13~15時の間はちょうど眠くなる時間帯だといわれています。

スペインでは「シエスタ」という昼寝の文化が強く根付いているおり、

1日に20分ほど昼寝をするそうです。

日本企業においても生産性向上のために「シエスタ制度」を導入する企業もあり

注目を集めています。

ただ、「昼食後に眠くなるのは人間の自然な生理」といわれても毎日忙しい受験生には厄介な敵ですよね。

 

糖質摂取と眠気の関係

 
これまでどうすることもできないと思われてきた「食後の眠気」。

最近では、「血糖値の乱高下」をコントロールし眠気を防止する研究が話題となっています。

つまり、食事後上がりやすい血糖値を安定的に保つために、

食事内容や食べ方をコントロールし急激な眠気を防ぐという方法です。

ここで重要となってくるのが「糖質」です。

食後の強烈な眠気の要因として血糖値の乱高下を挙げましたが、

糖質の摂取量を上手くコントロールすることで血糖値の乱高下を防ぎ、

安定的した血糖値を保つことが出来ます。

通常、食事直後は血液中のブドウ糖の量が増え、血糖値が上昇します。

すると、すい臓からインスリンというホルモンの一種が分泌され、

血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪に取り込みます。

インスリンには急激に上昇した血糖値を正常域に戻す働きがあり、

食事後に増加した血糖は速やかに処理され一定量に保つようになっています。

つまり、食事から摂取するブドウ糖の量が多いと血糖値が反応してインスリンも大量に分泌されてしまうのです。

その結果、インスリンが効き過ぎてしまい今度は血糖値が急低下、

体が一時的にブドウ糖不足の状態に陥るのです。

脳の唯一の栄養源であるブドウ糖が脳に十分に行き渡らないため、

結果的に頭がぼーっとしたり、眠くなる原因に繋がってしまうのです。

 

糖質制限と眠気の関係

 
さて、ここで「食事で糖質を摂ったのになぜ低血糖になってしまうの?」と

疑問に思った人もいるのではないでしょうか?

それは血糖値の不思議な性質にあります。

血糖値は、食後急激に上がった場合、それと同じカーブで急降下するという性質があるのです。

つまり、摂取するブドウ糖の量がそれほど多くない場合は血糖値の上昇は緩やかであり、インスリンの分泌量も相応になるため、血糖値の下がり方も緩やかになるというわけです。

血糖値が緩やかであればブドウ糖不足の状態になりにくく、眠気も誘発されにくいのです。

「それなら、眠くならないために食事を抜く」と考える受験生もいると思いますが、「糖質」を完全に抜いてしまうのは良くありません。

糖質とは、ご飯やパン、麺類などの炭水化物食品であり、

炭水化物から食物繊維を抜いた物が「糖質」と呼ばれています。

「糖質」が補給されなければ身体は低血糖状態に陥り、倦怠感やイライラ、集中力の欠如などの症状が現れ、最終的に体調を崩してしまいます。

受験本番が近づくにつれ、受験生の皆さんは疲労や寝不足の日々が続きストレスも増していくことでしょう。

体調を崩さないためにも、できる限りバランスの良い食事を心掛けることが大切です。

 

そもそも糖質とは一体何か?

 
食べ物には様々な栄養素が含まれていますが、そもそも「糖質」とは一体何なのでしょうか?

人間の体のエネルギー源として働くものは「糖質」・「脂質」・「たんぱく質」の3つになります。

なかでも、「糖質」とは砂糖といった“甘いもの”だけでなく、ごはん、芋に含まれるデンプンも糖質の仲間に含まれています。

「糖質」は体の主要なエネルギー源であり、吸収されると脳や赤血球、運動時の筋肉などのエネルギー源となります。

特に脳では血液中の糖質(ブドウ糖)が主なエネルギー源なので、極端に糖質が不足すると意識障害などがおこることがあります

(通常ではこのようなことはおこりません)。

糖質のことを「炭水化物」と言うことがありますが、

厳密に言えば、「炭水化物」=「糖質」+「食物繊維」でできています。

糖質は体内での存在量が少なく、血液中のブドウ糖のほか、

肝臓や筋肉にグリコーゲンとして少量を貯蔵しているだけなのです。

すぐ使う量以上に食べた糖質は、体の中で脂肪となって蓄積されてしまいます。

1日の摂取量は、1日2,000kcal必要な人ではおよそ60%程度の1,200kcalを糖質からとるのが望ましいといわれます。

これはご飯にすると、茶わんにおよそ5杯分です。

糖質は摂取し過ぎると、肥満や生活習慣病を招く恐れがある一方、

不足が続くと体力の低下や疲れやすくなるなど快適な生活の妨げになりますので、適切な量を摂取する必要があるのです。

 

糖質スローオンのススメ

 
今回皆さんにおすすめなのが、数年前から流行している「糖質スローオン」という方法です。

「糖質スローオン」とは、小腸での糖質の吸収を緩やか(スロー)に吸収(オン)することで、血糖値の急激な上昇を抑える摂取方法です。

すなわち、血糖値の上昇を「緩やか」にすれば、脳や身体にとって不可欠な糖質を摂取しながら、食後眠気を避けられるというわけです。

食後の眠気対策だからといって糖質制限をしてしまうと体には良くありませんし、この「糖質スローオン」をうまく利用することで健康的かつ眠気にも勝てるというわけです。

糖質スローオンの方法をご紹介します。

 

野菜、きのこ類、海藻等の食物繊維が多い料理から食べる。

 
食事の順番に気を付けましょう。食物繊維を先に摂ることで、後に食べる炭水化物に含まれる糖質の吸収を遅らせ、血糖値の急上昇を抑えられます。
 

酢のものを取り入れる。

 
酢の物には糖質の吸収を穏やかにする効果があります。
 

よく噛んで食べる。

 
よく噛みゆっくり食べることで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐことができます。また、高血糖改善の効果があるインクレチンの分泌が高まります。
 

食品のGI値を意識して食事を摂る

 
そば、パスタ(全粒粉)、山芋、里芋、アボカド、レタス、豆類(大豆、ピーナッツ、インゲン)、オレンジ、りんご、バナナ、苺、無糖ヨーグルト、チーズなどがGI値の低い食品を選びましょう。食物繊維を多く含む玄米や大麦、雑穀、全粒粉パン、パスタやそばなど「茶色っぽい糖質」と覚えておくとよいでしょう。一方GI値が高めなのは、白米や白パン、もち、砂糖といった「白いもの」です。

 

糖質スローオンのやり方として、まず糖質はジュースなどの液体よりもご飯などの固体で摂取する方が良く、しっかり噛んで食べられる食品が有効だといわれています。

また、ご飯や麺のみの食事など糖質単体よりも、副菜や主菜など、たんぱく質や脂質と一緒に食べることが効果的です。

さらに、食事のときはベジタブルファースト(野菜を先に)が基本であり、食物繊維が含まれる野菜を食べることで、腸への吸収が緩やかになります。

また、ヨーグルトや乳製品、酢の物などは糖質の吸収を穏やかにする食品を一品追加するのもおすすめです。

 

糖質スローオンにおすすめの食事・食材(コンビニ、学食などで実践できるメニューで)

これまで食後の強烈な眠気の大きな要因として「血糖値の乱高下」があることを説明してきましたが、実際にはどんな食事メニューだと血糖値の乱高下を防ぐことができるのでしょうか。

食後に睡魔を寄せ付けない食事の選び方・食べ方のポイントを紹介します。

 

炭水化物が少ないメニュー

 
時間のないランチタイムにはついついやってしまいがちな菓子パン&甘い飲み物、ざるそば&稲荷ずしなどの組み合わせ。

これは、炭水化物中心の食事は吸収する栄養素のほとんどが糖質になるため、

血糖値を急激に上げてしまいます。

菓子パンを野菜やハム入りのサンドイッチに、うどんには玉子や海藻をトッピングするなどなるべく炭水化物だけにならないようするだけで、誘発されやすい食後の眠気の改善に繋がります。

つまり、「炭水化物を減らす」ことが重要となってきます。

炭水化物とは、米飯やパン、麺、イモ類は血糖値をあげてしまうので、学食では丼もの、ラーメン、菓子パンなどの単品料理は控えましょう。

 

おかずの種類が豊富なメニュー

 
糖質を抑えるのにおすすめなのが定食です。

コンビニなどで購入する場合は、多種類のおかずが入ったお弁当などが良いでしょう。

血糖値に影響しにくい食べ物は、いわゆる「おかず」であり、野菜や肉、魚、卵、豆類、チーズなどのたんぱく質を多く摂取することが大切です。

 

食べる量は、腹八分目あるいはちょっと足りないくらい

 
食べる量は、満腹になる一歩手前の腹八分、あるいはちょっと足りないくらい食べるのが、午後の集中力のためにはちょうどよいといわれています。

「もうちょっと食べたいな」と思うくらいの量にすることで、血糖値の乱高下を防ぐことが出来ます。

また、しっかりと咀嚼することも大切です。

お友達と楽しい会話をしながらゆっくり食べてみてください。

 

食べる順番は野菜→炭水化物がよい

 
「食べる順番」も重要なポイントだといえるでしょう。

まず野菜や肉などから食べて、炭水化物は最後に食べるようにすると、血糖値の上昇が緩やかになり、食後に眠くなりにくくなります。

炭水化物を抜いても、たんぱく質をしっかり食べれば、意外とお腹は減りません。

 

適度に間食をする<

 
空腹が長く続いて低血糖になりすぎないよう、ナッツやチーズなど、糖質が少ないおやつで小腹を満たしておくのがおすすめです。

果物はビタミン類を豊富に含み体には良いのですが、糖質も多いため眠気防止の観点からは注意が必要です。

朝食抜きで、お昼は丼もの!という流れは食後に睡魔がやってくる可能性が高いので注意してください。

 

まとめ

 
これまで、受験生のみなさんにおすすめしたい集中力を高める食生活についてご紹介してきました。

睡眠や眠気は、心と身体の両方から影響を受けるといわれています。

その為、両方からアプローチすることが有効です。

もちろん、眠れる時にはしっかりと眠り身体の調子を整えることは大切です。

しかし、受験生みなさんの中には、毎日の忙しさやストレスなどから上手く睡眠と取れない人もいることでしょう。

食後の睡魔は厄介者ですが、食事の選び方・食べ方で糖質をうまくコントロールできれば、睡魔がやってくる頻度もコントロールできるかもしれません。

糖質はやみくもにカットするのではなく、食べるタイミング・量・食べ合わせの3つをうまくコントロールすることが大切です。

午後も集中してバリバリ活動したい日や、睡魔に悩まされたくない時などに、ちょっとだけ思い出してみてくださいね。
 
 
AAA代表 諏訪たかあき