塾の認知度を地域一番にする3C分析とは?

 

みなさん、いきなりですがご自身が運営されている学習塾の認知度はどのくらいかご存知でしょうか?

有名企業や大手企業とは異なり、中小・中堅企業にとって企業認知度をあげることは会社の売上や集客につながる重要な取り組みだといえるでしょう。

もちろん認知度が高ければ、市場競争の場面においては有利な選択肢として挙げられることは間違いありません。

しかし、知名度が高ければすべてうまくいくというわけではないのがビジネスの世界です。

今回は、マーケティングの基本であるポジショニング戦略・3C分析について考察していきます。
 

ポジショニング戦略の重要性

 
自社ブランディングやマーケティングを成功させるにあたり、最も重要だといわれているのが「ポジショニング戦略」です。

ポジショニングとは、「ターゲット顧客の頭の中に、自社製品について独自のポジションを築き、ユニークな差別化イメージを植えつけるための活動」と定義されています(出典:グロービズ MBA経営辞書)。

つまり顧客に自社製品の価値を認めてもらうことで、競合他社に対し優位に立つことを目的としています。

市場における自社サービスの立ち位置(ポジション)の決定は、自社の持つ強み・弱みを把握し、どのような分野・方法で戦っていくかの意思決定に繋がります。

そのため、マーケティングにおいては大変重要な手法だといわれています。

ポジショニングが曖昧なままだと、どれだけ懸命に活動しても効果的に成果を上げることは難しいといえるでしょう。

ポジショニングを明確にすることで、ターゲットに対し自社の商品を1番最初に思い浮かべてもらい、市場競争を優位に進めることができます。

学習塾にという競合がひしめく業界の場合、他社との違いを明らかにし優位なポジションを陣取ることが必要不可欠です。

人は、自分の中にあるランキングをずっと記憶しているため、既存のランキングで勝負するのではなく、新たなランキングを作る方が簡単なのです。

学習塾における集客を目的とした場合、自塾を1番最初に思い浮かべてもらうためには、「何によって認知されたいのか」を明確にすることです。

マーケティングにおけるポジショニングの本質は「戦って勝つ」ことではなく、「戦わずして勝つ」ことにあります。

つまり、無理をしないで成果をだすことができる優位な「ポジション」を確保することです。

競合に対して自社のランキングを上げようとするのではなく、新しいカテゴリーを作り、そのカテゴリーの中でナンバーワンを陣取るのです。

優位性のあるポジションを確保し、「戦わずして勝つ」ことが実現すれば、他塾と比較されることなく入塾まで繋がるので販促費を費やす必要がなくなり、利益率が大幅に向上します。

競合他社がいない領域でナンバーワンの会社は認知度が高まり、信頼も高まるのでお客様が集まりやすくなるというわけです。

 

ポジショニング戦略の考え方

 
ポジショニング戦略は、ビジネスにおいて最も核となる戦略で、自社発展においては切っても切れない活動だといえるでしょう。

販促、情報発信等、いわゆるマーケティングに関わる活動はもちろんのこと、その先のセールス活動等も全て、まずは「ポジショニング」が定まってからはじめて結果に繋がります。

一見難しそうなポジショニング戦略ですが、考え方としては下記4つから成り立ちます。

 

  • リサーチ:業界のプレイヤーの詳細なリサーチ
  • ポジショニングマップの作成(分類):リサーチしたプレイヤーをグループ別に分類
  • 新しいポジションの創造:ニーズとウォンツにフォーカスして、新しい価値を創造
  • 新しいポジションの言語化:独自のポジショニングを言語化

 

なかでも重要な役割を果たすのが②ポジショニングマップの作成です。

ポジショニングマップとは、縦と横2つの軸を使って、自社商品と他社商品の位置付けを視覚化するマーケティングツールのことです。

ポジショニングマップを作成することで、消費者の視点から客観的に自社商品を判断し、商品における現状や競合が少ないポジションを見つけることに役立ちます。

効果的なポジショニングマップを作成するためのポイントを3つご紹介します。

 

購買決定要因(KBF:Key Buying Factor)を見極める

 
ポジショニングマップ作成において重要なことは、購買決定要因(KBF:Key Buying Factor)を軸に配置することです。

入塾を決定する要因は複数存在するかもしれませんが、中でも重要な2つの要因をX軸とY軸にし、競合他社のカバー領域をポインティングしていきます。
 

空いているポジションを狙う

 
マップの中で、自社の商品・サービスが競合相手の商品・サービスが重なってしまっていると、差別化が難しいという判断ができます。

逆に、空いているポジションに移動すれば差別化するチャンスがあることです。
 

お客様からどう見えるかが大切

 
空いているポジションに移動したつもりでも、実際にはそのポジションにニーズがなかったという事態が発生します。

また、重要なことは「お客様に理解されなければ意味がない」ということです。

ポジショニングが自己満足にならないように、お客様からどう見えているかを常に客観的に意識する必要があります。

 

3C分析とは?

 
実際にポジショニングを実行する際に、自社がどのような経営環境に置かれているのか調査しなければなりません。

そのために欠かせないものが、3C分析といわれるものです。

3C分析は、市場の関係性を理解するためによく使われるフレームワークで、「Customer:市場・顧客」「Competitor:競合」「Company:自社」

の頭文字から3Cと呼ばれています。

3C分析の最大の目的は、ブランディングやマーケティングのKFS

(Key Factor for Success:成功要因)を導きだすことであり、

市場を取り巻く環境を「3C」というフレームワークを使って整理することで、

抜け漏れのない分析が可能となります。

 

3C分析を行う方法

 
次に実際に3C分析を行ってみましょう。
 

Customer(市場・顧客):市場・顧客の変化に着目

 
Customer(市場・顧客)では、市場・顧客を取り巻くニーズや不満を知ることを目的としています。

「学習塾」の顧客といえば誰を思い浮かべるでしょうか?

一見すると、学習塾の顧客は「生徒」のみだと考えられがちですが、

お金を払う「保護者」も「顧客」に含まれます。

つまり、どちらか片方だけのニーズを知るだけでは足りず、

両方の顧客のニーズを追いかける必要があります。

さらには、運営地域やカテゴリー毎のニーズを把握しなければなりません。

 

Competitor(競合):競合分析

 
Competitor(競合)では、競合相手が市場の変化に対してどのように対応しているかを知る事を目的としています。

他塾の商品や価格はもちろん、販路、マーケティング、営業、サポートなど、ビジネスに関連する仕組みを調査する必要があり、売上げや高い効率化の厳選となる仕組み、仕掛けなども探し出します。

競合分析のポイントは、「市場分析での結果を考慮する」ということです。

つまり競合企業が市場の変化に対してどのように対応しているか?

うまく対応できているところはどこか?課題は何なのか?といった形で競合企業を評価していきます。

 

Company(自社):自社分析

 
Company(自社)では、これまで3C分析を通じて行ってきた、市場分析、競合分析のまとめになります。

市場の変化と競合企業の市場の変化への追従・対応と自社を比較します。

自社分析を行いながら、競合企業の良い点を取り入れたり、競合企業がカバーできていない領域に進出するなど、自塾が成功するための要因(KSF)を探ります。

 

3C分析の実例:スターバックスコーヒー

 
みなさんご存知のスターバックスコーヒーは、1995年に日本に初上陸、1999年には100店舗へと拡大しました。

瞬く間に全国へと展開し、現在1,000店舗を超える一大コーヒーチェーン店です。

今や圧倒的な支持を得ているスターバックスコーヒーですが、数あるコーヒーチェーン店の中からなぜここまでの成功を成し遂げることができたのでしょうか?

スターバックスの行った戦略は、3C分析から見たときに最も絶妙なタイムングの時に、極めて適格な舵を切ったと言っても過言ではないマーケティング戦略の成功例であった事が分かります。

マーケティングのフレームワークを利用して大成功したスターバックスの成功事例をケーススタディしましょう。

 

「顧客(Customer)」のニーズや不満はどういったものがあったのか?

 
スターバックスが日本に上陸した頃、日本では喫茶店産業が衰退の一途を辿りはじめていました。

その代りに主流となりつつあったのが、ドトールやベローチェなどのセルフサービスカフェです。

これまでの喫茶店ではコーヒー1杯を500~600円で提供していたものを、セルフサービスカフェでは1杯200円以下で提供開始しました。

しかし1杯あたりの単価が安かったため、店内は狭く、喫煙者が1服する為の休憩場所として利用している程度でゆっくりコーヒーを味わうという雰囲気ではありませんでした。

客単価が安い分、店内を狭くして回転率を良くする事で成り立つビジネスモデルだったからです。

 

  • 1994年の喫茶店市場規模は1.4兆円で喫茶店の店舗数は減少傾向
  • 従来のカフェ店ではなく、オフィスや自宅でコーヒーを飲みたい人の存在
  • 従来のカフェ店では、「くつろぐことが出来ない」という不満を持つ人が存在
  • 喫茶店やホテルのコーヒーは高価で、若者や女性は敬遠
  • テイクアウトコーヒーの味に不満を持つ顧客が存在

 

「Competitor(競合)」相手はどんなビジネスモデルだったのか?

 
スターバックスが日本に上陸する前は、ドトールやベローチェなどがセルフサービスカフェ市場を独占していました。

ドトールはスターバックスの正反対のポジションに位置し、シアトル系カフェの競合も当時まだ存在していませんでした。

 

  • 一般的なカフェ店ではコーヒー1杯200円以下の低価格が主流
  • フルサービスを提供するホテルなどではコーヒー1杯が600円以上
  • 一般的なカフェ店では狭い空間で座席数を少しでも多く確保することに重点
  • 一般的なカフェ店はフランチャイズ形式が主流で、店舗ごとの品質にバラつき有り

 

「Company(自社)」の強みを生かしたビジネスモデルとは?

 
スターバックスのビジネスモデルである「おしゃれ」「高級感がある」「コーヒーがおいしい」に応えているお店が当時存在しませんでした。

これらの潜在的ニーズを上手く利用したことで独自性のあるスターバックスのサービスが新たな市場機会を開拓したのです。

 

  • 北米でスペシャリティコーヒーストアとしての地位を確立
  • 最高級コーヒー豆を使用
  • 直営店による展開
  • マニュアル化による徹底した品質管理と自由なカスタマイズ
  • 内装は高級ソファや絵画などを使用したおしゃれな雰囲気

 

スターバックスは、ビジネスにおいて最も取り入れられている戦略「ランチェスター戦略」を上手く活用したビジネスモデルだといえます。

「ランチェスター戦略」は世界でもっとも利用されている戦略の1つで、弱者が強者に立ち向かうための戦略手法です。

実際に多くの企業が実践し、競争を勝ち抜き売上を伸ばしてきました。

ランチェスター戦略は、1つの特殊な分野に特化することで、そこまで手を回す余裕のない大企業の隙を突いていくというものです。

これを上手く取り入れることが正しい戦略を取るためのポイントとなっています。差別化(他社とどう違うのか)、区別化(○○ではない)、専門化(何かに特化している)を図り、数ある競合の中に埋もれないようにするためには「自分の強み」を明確にして、強化する必要があるといえるでしょう。

 

まとめ

 
3C分析は、要点を外さず現状把握と今後の方向性を定めることができる大変有効なマーケティングツールです。

これまでも戦略や計画の策定などビジネスのあらゆるシーンで利用されてきました。

みなさんも消費者の中に「圧倒的なポジショニングを構築すること」を理解し、ポジショニング戦略を立ててみてください。

ビジネス市場は日々変化し、そのスピードは年々早まっています。

3C分析を上手く利用して、流れに乗り遅れることなく時勢に合ったマーケティング戦略を実行してみましょう。

 
 
AAA代表 諏訪たかあき